日本盲導犬総合センター’富士ハーネス’



富士の西麓、朝霧高原至近の湿気の多い地域である。

雨が降ると今まで空っぽだった沢にどこからともなく水が集まるのである。

・敷地内に元々あった沢の機能を失うことなく、

・扇状地に堆積した肥沃な土壌に根を下ろした樹林を失うことなく、

・慰霊祭のできるある広がりを持った芝生広場をつくること。

これらがランドスケープの大きなテーマとなったが、

それぞれ独立したものではなく、同時に解決のできる課題であると考えた。


まず既存林は下草刈り、強めの間伐を行いながら、樹林のエリアはそのまま残す。

樹木を残す為に根際のレベルを変えないことで、

沢のあるレベルも概ね残り、溝を保つことができた。

さらに建築の根伐土を盛って広場を作り、

その外側に斜面が下っていく地続きの調整池を設け、

広場面積以上の「広がり感」を得た。


緩く弧を描いた長ベンチの空間的エッジは、転落防止の機能とともに、

「こちら」と「向こう」という関係を築く結界となり

ワイルドな風景を借景として取り込むことができるのである。


長ベンチに貼られる記念タイルも年々増え、慰霊碑を囲むように見守っている。



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