ヤマノカケラ



敷地は長野駅から徒歩5分に立地する、自動車販売店本社ビル。

高層棟の脇に、地上6.7mのイベント広場につながる大階段があり、その下には直営レストランがあった。

今回はそのレストランの改装に合わせて、

雨漏りの原因となっていた大階段をどのようにするかがランドスケープの主な課題だった。


使われなくなった2F広場へは、大階段で人を大量に上げなくもよい。

その代わりにそこにたくさんの木を植え、山の洞窟のような場所にひっそりあるレストランにしたい。

私たちに声がかかった時には、施主と建築家の間でそこまで合意ができていた。


やるべきことは、大きく二つだった。

まず、急傾斜の人工地盤上にいかに緑化を行うか。

緑化工法の選択、軽量嵩上げ材と水みちと浮力、植栽基盤と土厚、荷重、地滑りに対する検証。

それらをよくよく考えること。

次に、その場所らしい「山」のかけらを創出すること。


「ヤマノカケラ」の斜面には長野に自生する植物を配植し、

乾燥する山の上、湿り気を帯びる山裾で植物をすみ分け、たくさんの種類を植えた。

周辺地域から松代石も運ばれてきて、山裾の石段として利用された。

下のレストランのアプローチは庭と考え、厳しい日陰でも淋しくなりすぎないように

斑入りの園芸種等も混ぜて、常緑メインの庭とした。


目の前には左右合わせて4車線の道路が走り、周囲には高い建物と大きな看板が立ち並んでいるが

このヤマノカケラがささやかでも”種をまく場所”になれればいいと願っている。





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