「大埜地の集合住宅」JIA環境建築賞で大賞を受賞しました

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昨年12月のことですが、環境建築賞の公開審査に参加しました。
審査員の方がどこに興味を持っていらっしゃるかを想像しながら質疑応答の準備をしつつ、5年間かかわり2年前に終わったプロジェクトを振り返っていました。
設計とは、「こんなもんだろう」と簡単に終わらせることもできるし、とことんやるとおそらくその50倍とか100倍といった時間がかかるようなもので、今回は究極に後者でした。設計チームを引っ張った田瀬理夫氏が何事においても粘り強く決して諦めないからです。

建築とランドスケープの境なくチームを組み、建築の話、ランドスケープの話を皆でしました。設計だけでも7人でやるので、進んで戻ってさらにちょっと進んでまた振出しに戻ってといった状況、さらにはソフト部分を担っていた神山つなぐ公社との打合せ時間もかさみ、有意義ながら、皆段々と疲労していきましたが・・・。
まちは時間をかけても地域の工務店の手により建設し、段々出来ていく状況も皆の体験にする、と決めていました。そうして始まった現場で、縦にも横にも繋いだ「現場常駐設計協働者」の役割はとても大きなものだったとはっきり言えます。4期にまたいだ工事関係者の情報を継ぐ波止場のごとく。コロナ禍に東京組が現場に行けない中でも、大事な納まりや状況対応を細かにできたのも、彼女たちのおかげでした。

今回の賞では、町のことを考えて真に良いプロジェクトにしようと尽力した神山つなぐ公社の働きや、大事さに気付いて様々なことを可能にした町長、副町長はじめまちの姿勢も、応募者ではないながらも評価ポイントとなったはずです。フォルムやバランスが美しいことは当然のことながら—広い意味での「デザインのかたち」は大変美しかった、と参加した自分も思うのです。
審査員の方々、ありがとうございました。

写真: 笹倉洋平/笹の倉舎

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