社用集合住宅 ‘代宿の杜’

BUILD : 2010

ある企業の社宅を集合住宅として作るプロジェクト。土地は30年以上前に企業誘致用地として造成されたままとり置かれた場所で、外来種が優先繁茂する雑草地となっていた。その昔は台地と谷津の間の斜面林だった場所である。この場所に、失われた土地のシステムを取り戻そうと考えた。まず、住宅の建つ対地上の土地から穏やかに低いところへと落ちる地形や仕組みをつくり、雨水を排水施設に渡す前にゆっくりと地表や地中を廻らせようとしている。

建築家はそれより前に、敷地全体にグリッド上に樹木をまず植えるというルールを設定していた。人がこの地に住まう意思を発信するアンテナ基地のようなものだといい、このコナラの木ありきの建築計画をしている。私たちはさらに木の足元にマット状の在来野草を植え、種や根の広がりから台地の地面全体が草原へと移行していくことを目指している。

業務 ランドスケープ設計・監理
施主 民間企業
協働 ヤクシジ建築デザイン事務所(統括・ランドスケープ・建築設計)
ビーアイエヌ一級建築士事務所(構造)
明野設備研究所(設備)
梅津測量事務所(測量・共同溝)
施工 清水建設(統括、建築)、日本道路(外構)、グリーンアンドアーツ(植栽)
受賞 2013年 千葉県建築文化賞(環境に配慮した建築物の部)
雑誌掲載 ランドスケープデザインNO.84
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