豊島八百万ラボ

BUILD : 2016

瀬戸内に浮かぶ緑の多い豊島にて。瀬戸内国際芸術祭2016にスプツニ子!のアート作品展示会場である古民家改修プロジェクト。我々は建築改修設計を担った建築設計事務所からの依頼を受け、庭の設計に入った。アート作品は映像と映像に登場する主人公のラボという構成で、「豊島八百万ラボ」では赤い糸を作り出す蚕を育てている設定。他には目もくれず、研究だけに没頭している女の子。であるとなると、庭では蚕のえさとなる小さな桑畑だけに気が行き届き、それ以外の場所については、以前の主が植えたであろう常緑の庭木が大きく育ち、生垣はぼさぼさ、実生の実のなる落葉樹などがひょろひょろと生える庭だろう、と想定した。
井戸、手水鉢、庭の水じまいシステムなど、そこに在るもので構成。奥の赤いおみくじ掛けは建築設計者によるもので、その足元は豊玉姫神社のある壇山の松葉をもらってきて敷きつめている。庭は施工関係上リセットされてしまい、当初はなかなかぼさぼさ感を出せなかったが、島の庭師さんに意図を伝え「適当な」管理を続けていただいた。(2022年の芸術祭をもって公開終了)

建築設計は成瀬・猪熊建築設計事務所。>サイトはこちら

業務 外構設計・設計監理
施主 公益財団法人福武財団
協働 成瀬・猪熊建築設計事務所(統括・建築設計)
アルチザン(施工監理)
雑誌掲載 新建築2016年7月号
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